06:00 a.m.
静かな朝、庭師の鈴木は、その日の庭の手入れのため、ある豪邸に今朝も訪れていた。持ち前の真面目さで草取りや水やりを手際良くこなす鈴木。しかし何か心に引っ掛かるものがあった。
12:00 p.m.
昼休みを取って、庭園の一角にある潟に目を逸らす。ふと、その潟に浮かんでいたピンクのピアノに目がとまる。そのピアノは毎週金曜日だけ庭園に設置されるらしい。 その夜は別嬪な施主の奥さんがピアノの演奏を披露するというものだが、庭師としてその演奏を聞くことは許されない。
05:00 p.m.
仕事を終えた鈴木は、マスターから手渡される金一封を受け取り、翌日への心の準備をしながら豪邸を後にした。